サンシャイン / You Are The Sunshine Of My Life
Music & Lyrics Stevie Wonder
'72年アルバム「トーキング・ブック Talking Book」収録
34thシングル R&Bチャート 3位 Popチャート1位
グラミー賞 '73年度 最優秀ポップ・ヴォーカル賞 受賞
Stevie Wonder - You Are The Sunshine Of My Life
大傑作アルバム「トーキング・ブック」からのセカンド・シングルとしてリリースされ、大ヒット。全米1位を獲得します。このシングルの前に「迷信 Superstition」をリリースし、全米1位になっていますから、スティーヴィーにとっては初の2作連続全米1位を達成しています。
後にスティーヴィーのナンバーの中でも最も多くの歌手にカバーされる曲となります。フランク・シナトラ、ライザ・ミネリ・・・・・・エトセトラ、エトセトラ・・・・。日本では平井堅のカバーがよく知られていますでしょうか。
まさに、スティーヴィーの"代名詞"ともいえる名曲・・・・・いまや永遠のスタンダードといっても過言ではないと思います。
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彼女は地面に落ちるとそれは今気分が良くありません
曲調は、ソフトなサウンドが魅力的なボサノバタッチで、とてもロマンティックなラブソング。聴いていると、曲全体に、スティーヴィーの"優しさ"が溢れているように感じます。
この曲でおもしろいのが、聴いていただければすぐにわかるとおり、この曲のオープニングで最初に聞こえる声がスティーヴィーのものではないということ・・・・。当時のワンダー・ラブ(スティーヴィーのバックバンド)のバック・ヴォーカリスト ジム・ギルストラップ、そして続いて同じバック・コーラスのグロリア・ヴァーレイ(なぜかラニ・グーヴスだという説もあるのだとか・・・・)が、スティーヴィーのヴォーカルが入る前の出だしの2小節を歌っています。
はじめてきたときは、「あれっ???」って思いましたけどね・・・・。でも、ナイス・アイディアです。
で、このグロリア・バーレイという人ですが、この人は当時スティーヴィーが好意を寄せていた女性だったそうで、この曲自体が彼女に捧げられたものであるというのは、ファンの間では有名。
アルバム「トーキング・ブック」の1曲目に収録された曲ですが、もともとは前作アルバム「心の詩 Music Of My Mind」の制作時にはすでにレコーディングされていた曲だそうです。
痛みの喜びを見つける
ただ、この「心の詩 Music Of My Mind」というアルバムの全体的なムードとこの曲が合わなかったということと、あと、妻だったシリータ・ライトと破局した直後の心境も重なって、この新しい恋を歌い上げた曲の収録が一時棚上げになっていたそうです。そして、次作の「トーキング・ブック」への収録となりました。
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翌年のグラミー賞ではこの曲をパフォーマンスし、最優秀男性ポップ・ヴォーカル賞を受賞しています。このときは、最初の2小節からすべてスティーヴィーが歌っていました。
このときのグラミーではスティーヴィーは5つの部門で賞を獲得しています。この曲以外では、「迷信」でR&B最優秀男性ヴォーカルとR&B最優秀楽曲、アルバム「インナーヴィジョンズ」で最優秀アルバムと最優秀プロデューサーといった具合です。
このときのグラミーでは、スティーヴィーが初めてグラミーの壇上に登ったこともあったんですが、最後はかなり感動的なシーンとなったようです。
アルバム「インナーヴィジョンズ」での最優秀アルバム賞の受賞のときのこと・・・・・
スティーヴィーが母ルラの手をとって一緒に壇上に上がったんですね(最初、ルラはかたくなに「壇上には上がらない」といいはっていたそうですが、この5つ目の賞(アルバム賞)のときにはスティーヴィーが強引にルラを壇上に引っ張って行ったそうです)
私はあなたを検索します
・・・・で、このとき会場に流れていた曲がこの「サンシャイン」で・・・・・、で、スティーヴィーはトロフィーを受け取ると、そのまま母ルラに手渡したのでした。
「これは、ママに捧げるよ」
スティーヴィーを女手一つで育て上げた母ルラ・・・・そんな母に最大限の感謝の気持ちを表したスティーヴィー・・・・・そして、最後の母ルラのあいさつ
「この子の曲のタイトルのとおりです。みなさん、どうもありがとう・・・私の人生を喜び(Sunshine)で満たしてくださって(You Are The Sunshine Of My Life)」
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ところで、この曲の中で「You are the apple of my eye」という箇所がありますが、ずいぶん昔の評論家の方で、この部分の訳詞を「あなたは僕の瞳の中のリンゴ」と訳した方がおられて・・・・・、その方も「ずいぶんと恥をかいてしまった」とおっしゃっておられました。
"Apple Of My Eye"で、"瞳"という意味になって、転じて「大切なもの」という意味になるのですね。
いやー、勉強になりますね〜(笑
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ちなみに、1977年のニュー・オーリンズでのジャズ・フェスティバルで、スティーヴィーとエラ・フィッツジェラルドがこの曲をデュエットしているんですが・・・・・
これが本当に凄い!!!
まさに"伝説的名演"です!!!!!
↑このときの音源が収録された、
故エラ・フィッツジェラルド生誕90周年を記念して企画されたトリビュートアルバム
Ella Fitzgerald & Stevie Wonder
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